Bladeとは
Bladeは、Laravelが提供する強力なテンプレートエンジンです。PHPの構文を直接使用できるため、テンプレートにPHPコードを埋め込むことが可能です。また、Bladeはビューを簡単に構築するための便利なディレクティブを提供しています。
Bladeテンプレートは .blade.php
の拡張子を持ち、resources/views
ディレクトリに保存されます。これらのテンプレートは、Laravelがビューをレンダリングする際に自動的にコンパイルされ、生成されたPHPコードはキャッシュされます。これにより、Bladeビューは非常に高速に実行されます。
Bladeは、表示ロジックを使用してビューを整理するための制御構造を提供します。例えば、条件文(@if
, @elseif
, @else
, @endif
)やループ(@for
, @endfor
, @foreach
, @endforeach
)などがあります。
また、Bladeはビューの継承もサポートしています。これにより、アプリケーションの共通レイアウトを定義し、そのレイアウトを使用する各ビューで特定のセクションを定義することができます。
以上が、Bladeの基本的な概要となります。次のセクションでは、具体的なディレクティブの使用方法について詳しく説明します。
ディレクティブについて
Bladeテンプレートエンジンは、ビューの作成を簡単にするための多くのディレクティブを提供しています。これらのディレクティブは、特定のタスクを実行するための短いコードスニペットで、@
記号で始まります。
以下に、一部の主要なディレクティブを紹介します:
-
@yield('content')
:このディレクティブは、子ビューから指定されたセクションを表示します。content
はセクション名です。 -
@section('content')
:このディレクティブは、新しいセクションを開始します。content
はセクション名です。 -
@endsection
:このディレクティブは、開始されたセクションを終了します。 -
@include('view.name')
:このディレクティブは、指定されたビューを現在のビューに挿入します。view.name
は挿入するビューの名前です。 -
@extends('layout')
:このディレクティブは、ビューが特定のレイアウトを継承することを指定します。layout
は継承するレイアウトの名前です。 -
@if
,@elseif
,@else
,@endif
:これらのディレクティブは、条件分岐を提供します。 -
@foreach
,@endforeach
:これらのディレクティブは、配列の各要素に対してループを提供します。 -
@for
,@endfor
:これらのディレクティブは、指定された回数だけループを提供します。
これらはBladeが提供するディレクティブの一部に過ぎません。他にも多くの便利なディレクティブがあります。次のセクションでは、これらのディレクティブをどのように使用するかについて詳しく説明します。
分岐処理
Bladeテンプレートエンジンは、ビュー内での条件分岐を簡単に行うためのディレクティブを提供しています。以下に、その使用方法を示します。
@if
, @elseif
, @else
, @endif
これらのディレクティブを使用すると、ビュー内で条件分岐を行うことができます。以下に例を示します。
@if (count($records) === 1)
レコードは1つです。
@elseif (count($records) > 1)
レコードは複数あります。
@else
レコードはありません。
@endif
この例では、$records
の数に応じて異なるメッセージを表示しています。
@unless
, @endunless
@unless
ディレクティブは、指定した条件がfalse
の場合にのみコードを実行します。これは、if
文の否定形と考えることができます。以下に例を示します。
@unless (Auth::check())
ユーザーはログインしていません。
@endunless
この例では、ユーザーがログインしていない場合にのみメッセージを表示しています。
以上が、Bladeでの分岐処理の基本的な書き方となります。次のセクションでは、認証ディレクティブについて詳しく説明します。
認証ディレクティブ
Bladeテンプレートエンジンは、認証状態に基づいた表示制御を行うためのディレクティブを提供しています。以下に、その使用方法を示します。
@auth
, @endauth
@auth
ディレクティブは、ユーザーが認証されている場合にのみコードを実行します。以下に例を示します。
@auth
ユーザーは認証されています。
@endauth
この例では、ユーザーが認証されている場合にのみメッセージを表示しています。
@guest
, @endguest
@guest
ディレクティブは、ユーザーがゲスト(つまり認証されていない)場合にのみコードを実行します。以下に例を示します。
@guest
ユーザーはゲストです。
@endguest
この例では、ユーザーがゲストの場合にのみメッセージを表示しています。
以上が、Bladeでの認証ディレクティブの基本的な書き方となります。次のセクションでは、環境ディレクティブについて詳しく説明します。
環境ディレクティブ
Bladeテンプレートエンジンは、現在のアプリケーション環境に基づいた表示制御を行うためのディレクティブを提供しています。以下に、その使用方法を示します。
@env
, @endenv
@env
ディレクティブは、指定した環境が現在のアプリケーション環境と一致する場合にのみコードを実行します。以下に例を示します。
@env('local')
現在のアプリケーション環境はローカルです。
@endenv
この例では、アプリケーション環境がlocal
の場合にのみメッセージを表示しています。
@production
, @endproduction
@production
ディレクティブは、現在のアプリケーション環境がproduction
である場合にのみコードを実行します。以下に例を示します。
@production
現在のアプリケーション環境は本番環境です。
@endproduction
この例では、アプリケーション環境がproduction
の場合にのみメッセージを表示しています。
以上が、Bladeでの環境ディレクティブの基本的な書き方となります。次のセクションでは、セクションディレクティブについて詳しく説明します。
セクションディレクティブ
Bladeテンプレートエンジンは、ビューの一部を定義し、それを再利用するためのセクションディレクティブを提供しています。以下に、その使用方法を示します。
@section
, @endsection
@section
ディレクティブは、新しいセクションを開始します。@endsection
ディレクティブは、開始されたセクションを終了します。以下に例を示します。
@section('title', 'Page Title')
@section('sidebar')
<p>これはサイドバーの内容です。</p>
@endsection
この例では、title
とsidebar
という名前の2つのセクションを定義しています。
@yield
@yield
ディレクティブは、子ビューから指定されたセクションを表示します。以下に例を示します。
<div class="container">
@yield('content')
</div>
この例では、content
という名前のセクションを表示する場所を定義しています。
@show
@show
ディレクティブは、セクションの内容を直ちに表示します。以下に例を示します。
@section('sidebar')
<p>これはサイドバーの内容です。</p>
@show
この例では、sidebar
という名前のセクションを定義し、その内容を直ちに表示しています。
以上が、Bladeでのセクションディレクティブの基本的な書き方となります。次のセクションでは、繰り返し処理について詳しく説明します。
繰り返し処理
Bladeテンプレートエンジンは、ビュー内での繰り返し処理を簡単に行うためのディレクティブを提供しています。以下に、その使用方法を示します。
@foreach
, @endforeach
@foreach
ディレクティブは、配列の各要素に対してループを提供します。以下に例を示します。
@foreach ($users as $user)
<p>このユーザーの名前は {{ $user->name }} です。</p>
@endforeach
この例では、$users
配列の各要素に対してループを行い、各ユーザーの名前を表示しています。
@for
, @endfor
@for
ディレクティブは、指定された回数だけループを提供します。以下に例を示します。
@for ($i = 0; $i < 10; $i++)
<p>現在の数値は {{ $i }} です。</p>
@endfor
この例では、0から9までの数値を順に表示しています。
@while
, @endwhile
@while
ディレクティブは、指定した条件がtrue
の間、ループを続けます。以下に例を示します。
@php
$count = 0;
@endphp
@while ($count < 5)
<p>現在の数値は {{ $count }} です。</p>
@php
$count++;
@endphp
@endwhile
この例では、$count
が5未満の間、数値を順に表示しています。
以上が、Bladeでの繰り返し処理の基本的な書き方となります。次のセクションでは、Blade内でのPHPコードの書き方について詳しく説明します。
Blade内でのPHPコードの書き方
Bladeテンプレートエンジンは、ビュー内で直接PHPコードを書くことを可能にしています。以下に、その使用方法を示します。
{{ }}
{{ }}
を使用すると、PHPの値をエスケープして表示することができます。以下に例を示します。
<p>ユーザーの名前は {{ $user->name }} です。</p>
この例では、$user
オブジェクトのname
プロパティを表示しています。
{!! !!}
{!! !!}
を使用すると、PHPの値をエスケープせずに表示することができます。以下に例を示します。
<p>{!! $html !!}</p>
この例では、$html
変数の値をエスケープせずに表示しています。
@php
, @endphp
@php
ディレクティブは、ビュー内で直接PHPコードを書くことを可能にします。以下に例を示します。
@php
$count = 0;
@endphp
この例では、$count
という名前の変数を定義しています。
以上が、Blade内でのPHPコードの基本的な書き方となります。これらの知識を活用して、より複雑なビューを効率的に作成することができます。次のセクションでは、Bladeのさらなる詳細について説明します。お楽しみに!
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