PHPでExcel（.xlsx）ファイルを操作する方法

PHPとExcelファイルの基本

PHPは、Web開発に広く使用されているサーバーサイドのスクリプト言語です。一方、Excelは、スプレッドシートの作成と編集に使用されるMicrosoftのソフトウェアです。Excelファイルは通常、.xlsxという拡張子を持つ形式で保存されます。

PHPを使用してExcelファイルを操作するためには、通常、外部ライブラリが必要となります。これらのライブラリは、Excelファイルの読み込み、編集、保存を可能にします。一般的に使用されるライブラリには、PHPExcelとPhpSpreadsheetがあります。

PHPExcelとPhpSpreadsheet

PHPExcelは、PHPでExcelファイルを操作するための最初のライブラリでしたが、現在は非推奨となっています。その後継としてPhpSpreadsheetが開発され、現在ではこちらが主流となっています。

PhpSpreadsheetは、PHPExcelの全ての機能を継承しつつ、より多くのExcelの機能をサポートしています。また、より新しいPHPのバージョンに対応しているため、現在のPHP開発者にとってはより適した選択肢となっています。

次のセクションでは、これらのライブラリを使用してExcelファイルを生成、保存、読み込み、編集する方法について詳しく説明します。.

PHPExcelとPhpSpreadsheetの比較

PHPExcelとPhpSpreadsheetは、PHPでExcelファイルを操作するためのライブラリです。しかし、それぞれには異なる特性と機能があります。

PHPExcel

PHPExcelは、PHPでExcelファイルを操作するための最初のライブラリでした。このライブラリは、Excel 2007（.xlsx）およびExcel 97-2003（.xls）形式のファイルを読み書きする機能を提供しています。しかし、PHPExcelは現在非推奨となっており、新しいプロジェクトでの使用は推奨されていません。

PhpSpreadsheet

PhpSpreadsheetは、PHPExcelの後継として開発されました。PhpSpreadsheetは、PHPExcelの全ての機能を継承しつつ、より多くのExcelの機能をサポートしています。また、より新しいPHPのバージョンに対応しているため、現在のPHP開発者にとってはより適した選択肢となっています。

PhpSpreadsheetは、Excel 2007（.xlsx）およびExcel 97-2003（.xls）形式のファイルを読み書きするだけでなく、Open Document Format（.ods）やCSV形式のファイルもサポートしています。さらに、PhpSpreadsheetは、Excelの高度な機能（条件付き書式設定、フィルタ、チャートなど）をサポートしています。

以上の理由から、新しいプロジェクトではPhpSpreadsheetの使用が推奨されています。次のセクションでは、PhpSpreadsheetを使用してExcelファイルを生成、保存、読み込み、編集する方法について詳しく説明します。.

Excelファイルの生成と保存

PhpSpreadsheetを使用してExcelファイルを生成するには、まず新しいスプレッドシートオブジェクトを作成します。次に、そのスプレッドシートにデータを追加し、最後にファイルとして保存します。

以下に、基本的な手順を示します。

<?php
require 'vendor/autoload.php';

use PhpOffice\PhpSpreadsheet\Spreadsheet;
use PhpOffice\PhpSpreadsheet\Writer\Xlsx;

// 新しいスプレッドシートオブジェクトを作成
$spreadsheet = new Spreadsheet();

// アクティブなワークシートを取得
$sheet = $spreadsheet->getActiveSheet();

// データを追加
$sheet->setCellValue('A1', 'Hello');
$sheet->setCellValue('B1', 'World !');

// Xlsx形式のライターオブジェクトを作成
$writer = new Xlsx($spreadsheet);

// ファイルとして保存
$writer->save('hello_world.xlsx');
?>

このコードは、新しいExcelファイルhello_world.xlsxを生成し、セルA1にHello、セルB1にWorld !という値を設定します。

PhpSpreadsheetは、Excelの高度な機能をサポートしているため、より複雑なスプレッドシートの作成も可能です。例えば、セルの書式設定、数式の使用、画像の挿入、チャートの作成などが可能です。

次のセクションでは、Excelファイルの読み込みと編集について詳しく説明します。.

Excelファイルの読み込みと編集

PhpSpreadsheetを使用してExcelファイルを読み込み、編集するには、まずファイルを開き、スプレッドシートオブジェクトを取得します。次に、そのスプレッドシートのデータを読み取り、必要に応じて編集します。最後に、変更を保存します。

以下に、基本的な手順を示します。

<?php
require 'vendor/autoload.php';

use PhpOffice\PhpSpreadsheet\IOFactory;

// ファイルを開く
$spreadsheet = IOFactory::load('example.xlsx');

// アクティブなワークシートを取得
$sheet = $spreadsheet->getActiveSheet();

// データを読み取る
$value = $sheet->getCell('A1')->getValue();
echo 'A1: ' . $value . PHP_EOL;

// データを編集
$sheet->setCellValue('A1', 'New Value');

// ファイルとして保存
$writer = IOFactory::createWriter($spreadsheet, 'Xlsx');
$writer->save('example.xlsx');
?>

このコードは、既存のExcelファイルexample.xlsxを開き、セルA1の値を読み取り、新しい値New Valueに変更し、その変更を保存します。

PhpSpreadsheetは、Excelの高度な機能をサポートしているため、より複雑なスプレッドシートの編集も可能です。例えば、セルの書式設定の変更、数式の使用、画像の挿入、チャートの作成などが可能です。

次のセクションでは、Excelファイルのダウンロードについて詳しく説明します。.

Excelファイルのダウンロード

PhpSpreadsheetを使用してExcelファイルをダウンロードするには、まずスプレッドシートオブジェクトを作成し、データを追加します。次に、HTTPヘッダーを設定してブラウザにダウンロードを指示し、最後にファイルを出力します。

以下に、基本的な手順を示します。

<?php
require 'vendor/autoload.php';

use PhpOffice\PhpSpreadsheet\Spreadsheet;
use PhpOffice\PhpSpreadsheet\Writer\Xlsx;

// 新しいスプレッドシートオブジェクトを作成
$spreadsheet = new Spreadsheet();

// アクティブなワークシートを取得
$sheet = $spreadsheet->getActiveSheet();

// データを追加
$sheet->setCellValue('A1', 'Hello');
$sheet->setCellValue('B1', 'World !');

// Xlsx形式のライターオブジェクトを作成
$writer = new Xlsx($spreadsheet);

// HTTPヘッダーを設定
header('Content-Type: application/vnd.openxmlformats-officedocument.spreadsheetml.sheet');
header('Content-Disposition: attachment;filename="hello_world.xlsx"');

// ファイルを出力
$writer->save('php://output');
exit;
?>

このコードは、新しいExcelファイルを生成し、セルA1にHello、セルB1にWorld !という値を設定し、そのファイルをダウンロードします。

この方法を使用すると、ユーザーがWebブラウザから直接Excelファイルをダウンロードできます。これは、例えば、ユーザーがWebアプリケーションからデータをエクスポートする場合などに便利です。.