PHPとPHP-FPMの概要
PHP (Hypertext Preprocessor) は、ウェブ開発に特化したスクリプト言語で、HTMLに埋め込むことができます。PHPは、動的なウェブページやアプリケーションを作成するために広く使用されています。
PHP-FPM (FastCGI Process Manager) は、PHPのFastCGI実装の一つで、ウェブサーバとPHPの間の高速なインターフェースを提供します。PHP-FPMは、リクエストごとに新しいPHPプロセスを作成するのではなく、プール内のプロセスを再利用することで、パフォーマンスを向上させます。
PHPとPHP-FPMの組み合わせは、ウェブアプリケーションのパフォーマンスと信頼性を向上させるための強力なツールとなります。次のセクションでは、これらの技術をRocky Linux環境でどのように使用するかについて詳しく説明します。
PHP-FPMとRocky Linux
Rocky Linuxは、エンタープライズ環境向けのオープンソースのLinuxディストリビューションで、CentOSの代替として広く利用されています。Rocky Linux上でPHPとPHP-FPMを使用することで、高性能なウェブアプリケーションを構築することが可能です。
以下に、Rocky Linux上でPHPとPHP-FPMをセットアップする基本的な手順を示します。
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パッケージの更新: 最初に、システムのパッケージを最新の状態に更新します。これは、
sudo dnf update -y
コマンドを使用して行います。 -
PHPのインストール: 次に、PHPとPHP-FPMをインストールします。これは、
sudo dnf install php php-fpm -y
コマンドを使用して行います。 -
PHP-FPMの設定: PHP-FPMの設定ファイル(通常は
/etc/php-fpm.d/www.conf
)を編集して、必要なパラメータを設定します。 -
PHP-FPMの起動と有効化: 最後に、PHP-FPMを起動し、システムの起動時に自動的に起動するように設定します。これは、
sudo systemctl start php-fpm
およびsudo systemctl enable php-fpm
コマンドを使用して行います。
以上の手順により、Rocky Linux上でPHPとPHP-FPMを使用したウェブアプリケーションの開発を始めることができます。次のセクションでは、PHPのバージョン選択について詳しく説明します。
PHPバージョンの選択
PHPのバージョン選択は、アプリケーションのパフォーマンスとセキュリティに大きな影響を与えます。最新のPHPバージョンは、新機能とパフォーマンスの改善を提供しますが、古いコードとの互換性が問題になることがあります。
Rocky Linuxでは、複数のPHPバージョンを同時にインストールし、それぞれのウェブサイトやアプリケーションで異なるバージョンを使用することが可能です。これは、php-fpm
サービスを使用して、各バージョンのPHPを異なるポートまたはソケットにバインドすることで実現します。
以下に、異なるPHPバージョンをインストールし、それぞれを異なるPHP-FPMプールに設定する基本的な手順を示します。
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Remiリポジトリの追加: Remiリポジトリは、複数のPHPバージョンを提供しています。これは、
sudo dnf install https://rpms.remirepo.net/enterprise/remi-release-8.rpm
コマンドを使用して行います。 -
PHPバージョンのインストール: 次に、必要なPHPバージョンをインストールします。これは、
sudo dnf module enable php:remi-7.4
およびsudo dnf install php php-fpm
コマンドを使用して行います。 -
PHP-FPMプールの設定: PHP-FPMの設定ファイルを編集して、異なるバージョンのPHPが異なるポートまたはソケットにバインドされるようにします。
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PHP-FPMの起動と有効化: 最後に、各PHP-FPMプールを起動し、システムの起動時に自動的に起動するように設定します。
以上の手順により、Rocky Linux上で複数のPHPバージョンを使用したウェブアプリケーションの開発を始めることができます。次のセクションでは、PHP-FPMの設定と起動について詳しく説明します。
PHP-FPMの設定と起動
PHP-FPMの設定と起動は、ウェブアプリケーションのパフォーマンスと信頼性に大きな影響を与えます。以下に、基本的な設定と起動の手順を示します。
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PHP-FPMの設定: PHP-FPMの設定ファイル(通常は
/etc/php-fpm.d/www.conf
)を編集して、必要なパラメータを設定します。これには、プロセスマネージャの設定、リスンするIPアドレスとポート、セキュリティオプションなどが含まれます。 -
PHP-FPMの起動: PHP-FPMを起動するには、
sudo systemctl start php-fpm
コマンドを使用します。これにより、PHP-FPMは設定ファイルに従って動作を開始します。 -
PHP-FPMの自動起動の設定: システムの起動時にPHP-FPMが自動的に起動するように設定するには、
sudo systemctl enable php-fpm
コマンドを使用します。これにより、システムが再起動したときにもPHP-FPMが自動的に起動します。
以上の手順により、PHP-FPMの設定と起動が完了します。これにより、PHP-FPMを使用したウェブアプリケーションの開発と運用が可能になります。次のセクションでは、具体的なPHP-FPMの設定例とその解説を行います。
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